賞味期限きれてる
hello! text pict bkm
ホルスタインヒ〜ハ〜



2009.01.01 可愛いひと

(日番谷と松本)

子供が
子供に見えなくなる境目が
あたしには
分からない






可愛いひと





「たーいちょー。まだお仕事ですか?」
「五月蝿い。俺が俺の仕事をいつ終えようと勝手だ」
「まあ。つれない。1人で大変そうだからこうやってお夜食持って来たのに」
「からかいに、だろ。暇人め。やることねーんなら仕事手伝え」
「やです。めんどくさいし。それたいちょーの仕事だし。」
「帰 れ ー ー ー ー ー !!」
「さあさあ、少し休んで気分転換でもしましょー」
「こ、こら!何しやがる!抱き抱えるな!おまっ・・!どこからそんな力あんだよ!」
「あら。案外軽いんですよ?隊長ってば。」
「喧嘩売ってんのかテメー!!!」




向かい合わせに茶を啜る姿を私は眺めていた。
煎餅を摘みながらこっそりとその子供らしからぬ自分の上司をあたしはただみているだけ。
たまには、みたい。
年相応の、反応とか。
子供っぽい、ところ、とか。
その子供の目が、ちらりと此方を見逃すわけはなく。
ばっちり双方の目が合わさった後に逸らしてもわざとらしいだけなのに、それをしてしまったことに
軽く後悔する。

「何だよ。」
「いえ別に」
「さっきからジロジロ見てんだろ」
「見てませんよ」
「見てたろーが」
「見てませんてば。たいちょーてば、自意識過剰ー」
「・・・・テメー・・・(怒)」

あ。
怒った顔は少し子供っぽいな。
そんなことを考えていると、ブツブツ文句を言っている彼は目の前のお菓子の一つに
手を伸ばす。
それをひょいと取り上げてみれば益々眉間の皴がみるみるうちに深くなっていく。

「なんなんださっきから!何がしてーんだよ!」
「あー、すいません。私ほら手が長いからそっちの方まで取れちゃってー」
「自慢してんのか!それとも俺の手が短いって言いてーのか!」
「どっちかって言ったら、どっちも」
「余計なお世話だ!毎日牛乳飲んでるってんだよ!」
「それにしても伸びませんね色々」
「伸びてんだよ!毎日少しずつ!」
「ああ、それはすいません。気付かなくて。」
「謝ってんのか侮辱してんのかどっちかにしろ!!!」


顔を真っ赤にしながら背を向けてしまった彼にはいと煎餅を手渡すと
それを素早く奪って食べ始めた。
ちょっとからかいすぎたかな、なんて反省しながら席を立つと
その彼の目の前にちょこんと居座る。
床に座ったまま足を抱えながら彼を見上げてみればぎょっとした顔で後ずさる隊長。
意味不明な自分行動故か、その距離があまりにも近かったからか。


「な、なんだよ」
「隊長。キスしましょうか」
「・・・・・は?」


彼の了承を聞く暇もなく、煎餅を持っている右手首をぎゅっと握って座ったままでいるその状態で
ソファの背もたれへと押し倒す様に体重を乗せる。
そのまま言葉を発する猶予を与えないまま、その小さな唇へと、同じものを重ねてみた。
逃げ腰になっている細い腰周りに反対側の手を伸ばして自分の方へと引き寄せて、
どうしたらいいかパニック状態になっている彼の舌を追い求めてみた。
次第に強くなる絡め付きに声を漏らす隊長に、何処か夢中になり、理性なんてものはふっとんでいて。

「ま、つも・・・・とっ・・はっ・・!!」

苦しげに発せられる声がようやく耳に届き、慌ててそれを解放すると、
足りない酸素を一生懸命取り込んでいる子供は少し涙目で、紅潮しているその肌を確認する。
何が起こったのか分からないままの彼にまず言わなけばいけない言葉。

「す、いません」
「・・・・・・・」
「あ、の・・・いまの、”はじめて”だったりしたら、もっとすいません」
「!!!」

軽く涙目になっている円らなそれが大きく開かれているところをみると
やはり初めてだったらしくもう言い返すことすらもせず隊長は衣服の乱れを直しながら職務室を後にする。
足音がダンダンと怒りの声色を放ちながら遠ざかっているところをみると
相当彼のプライドを傷つけてしまったらしい。
未だ残る唇の感触と温度を感じ取れば
思う彼への、思い。




「なんだ。可愛いところ、あるじゃない」




小さな小さな
恋の予感。


[text]




admin*
designed by
FC2ブログ